土方の部屋の襖を勢いよく開けるとすパーンッといかにも気持ちの良い程いい音が鳴った。





土「っ……お前わなぁ!!ノックをしろノックを!!!」




『土方、話したい事があっただけですぐ終わる。私は何が何でも入隊はしないから。

それと、部屋とか、いらないんで、できるだけスグにここから出てくから。んじゃ、それだけなので失礼します』




土「おい待て」


『…まだなにか?』


そのまま出ようとすると止められてしまった。



何なんだ、私は入隊するつもりなんてないんだからほっとけばいいものを…



土「入隊するしねぇの前にてめぇは行く宛あんのかよ」



行くあてか…



『…ありませんが?』




土「どうするつもりだ」



『……どうするってそりゃあ…まぁ行き宛てが無くても体を売るかなんかすればいいだけでしょう、まぁ私は可愛くも綺麗でもないのでそれが無理なら殺してくれる人を探しますね』




まぁ、体を売るつもりなんてない。
私は最初っからここを出たらすぐさま自分を殺してくれる人をすぐさま探すつもりだった。




生きる意味なんてないし



なんて考えていると夕桜に気づいたのか土方は眉を顰(ひそ)めて、そして低い声で、




土「んな、後味悪いことさせるわけにはいかねぇなぁ?お前は俺らの所に入隊させる。絶対だ」




『…なぜ』



土「そりゃ戦力になるからだろ。」



何言ってんだこいつは…と言ったような目で見られる。

まぁ、そうだろうな。



『…私はめんどくさいことは嫌いだ』



土「だからなんだ?……どうせ生きる意味もないとか言ってここを出たあと自分から死にに行くつもりだろおめぇは」





やはり気づかれていた。
だが引き下がるわけには行かない。


『ふんっ、私とアンタらは関係ない。だから私がどうなろうと関係ないね』



土「…無理矢理にでも俺らはお前を仲間に加える。」



『私の意見は?、』


土「フンッ。認めねぇな……」




『私がアンタらをいきなり殺すかもしれなくてもか』




沖「夕桜ちゃんは無闇に人を殺さないでしょ?」



突如現れた沖田がそう言う。


土「総司おまえいきなり入って来るなといつも言っているだろう」



『そんなの、分からない』





そう、分からない……だってもう私は人を殺す快感を覚えてしまったから




沖「んー。勘ですよ勘♪それに、君に襲われたところで僕達は負けないしね?」




余程自信があるのか楽しそうに言う沖田。



『私は。あなたのその薄っぺらい顔が大っ嫌い。』




沖「…………ははっ、酷いですねぇ〜」



一瞬驚いてすぐさま笑顔に戻るその顔を見つめる。

やはり、この男は嫌いだ。
まるで私を見てるみたいだから……
だから嫌い。




まぁ、少しくらいなら手を貸してやってもいいかな……





『はぁ……いいです、入隊してあげますよ。』



土「本当だな?」



沖「おぉー!」




『えぇ………ただし。条件付き…………』




ゴクリと土方が唾を飲み、息を潜めたことがわかる


土「……なんだ」





『もし、貴方たちと、戦ってて、万が一つまらなくなったらすぐに辞める。

………だから、もしつまらなくなったら……あなた達の誰かが私を殺せ…』





土「何を馬鹿な────」



沖「いいじゃないですか〜」


土「お前は黙ってろ総司!!」



沖「だって……楽しければいいんでしょ?」



ニコッと笑う沖田……


『えぇ。つまらなくなければなんでもいい……』




沖「ね!土方さん!!いやぁ、楽しみですねぇ〜♪」




土「お前はなぁ……まぁいい、分かった、その条件…のもう。」




『交渉成立………ね』







まぁいい、どうせ生きる意味がなかったんだ。

最後にこの人たちに掛けてみるか。





面白い事ばかりなら、いいけどね………