珠子『…あ…な…た。。。後でアッチね』
義雄《!?》
二人の寝室を指差してニタリと笑う母に、父はぶるっと身震いした…

義雄《…はい。。。》
ショボくれた父はトボトボと寝室に向かって歩く
心なしか、さっきまでビンビンに立ってたリーゼントは少し項垂れていてーーー


去り際の後ろ姿がなんだか哀れだーーー


珠子『あっ!そうだったわ!!
あのね、明日の昼過ぎから自治会の集まりがあって、、、私、その事、うっかり忘れてたのよ...義雄さんもお仕事で行けないの…
だから…』

手際よく手当てを終えた母は
言いずらそうに少し俯く...


塔子「病院だったら、私が行こうか?
明日だったら学校も早いしーーー」


珠子『本当!?助かるわ~。。。翔馬(しょうま)、塔子ちゃんが来たら、きっと凄く喜ぶわよ!!』

翔馬くんは、橋本夫婦の実子で、9才の私の弟だーーー
生まれた時から、身体が弱くて、しょっちゅう入退院を繰り返している

珠子『翔馬はお姉ちゃんっ子だから...うふ。』


少しの手助けでもいっぱい喜んでくれる、、、
感謝してもしきれないのはこっちの方なのに...


本当に大好きだな...この感じーーー


珠子『あら?塔子ちゃん、いつもの腕の…ほら?大切にしていたあれ…?今日はつけていないのね?』


塔子「………あ、あれっ????ない!!!!!」


ーーーどうして???どこで、なくしたの!?


もしかして、神社かな?あそこだったら、流石に今から探しにってなったら、二人に余計な心配をかけてしまうしーーー