当時まだ5歳だったリョウには状況が掴みきれず私のスカートの裾をぎゅっと握りしめて


「ママとパパどこ行くの?」


なんて聞いた。


「ママとパパ、ちょっとお出かけするの。だからお姉ちゃんの言う事ちゃんと聞いて待っててね?」


「あいっ」


返事をしたのと同時にお母さんとお父さんは私とリョウを力強く抱きしめた。


その時流れてた涙は見なかったことにした。


「じゃあ行ってくるよ」


「いってらっしゃい」


どんどん小さくなっていく2人の背中が見えなくなるまで私とリョウは家の前で見送った。