遥山は分厚いコンクリートのドアのオートロックを開けた。
遥山が一歩足を踏み入れただけで、100人くらいかな、遥山にたくさんの人が敬意を込めた挨拶をしていた。
いい族じゃんか。
でも本人に至ってはスルー。
誰もいないかのように進んでいく。
ん?何様のつもりなのかな?
折角こんなにも仲間が挨拶をしてくれているというのに、それが当たり前かのような素振り。ばっかじゃなかろうか。
「遥山、あんた仲間がせっかく挨拶してくれてんだから挨拶ぐらい返しなさいよ。」
「遥山さんに向かってなんて口を!誰だてめぇ!ぶっ殺されてぇのか!!!」
「何言ってんの?私は普通のことを言っただけ。あなた達だって挨拶返して欲しいでしょ?ぶっ殺す?やれるものなら」
「まぁ…じゃなくて!
誰なんだよお前は!お前ならすぐやれるに決まってんだろ」
「おい、聞け。
こいつは成瀬 桃晴。俺はこいつを龍顗の姫にするつもりだ。あとからまた改めて説明する。
お前ら今まで挨拶してこなくて悪かったな。」
「い、いえ。」
「ちょっと!?姫になんかなんないからね?」
目的はこれか!!!
絶対龍顗の族の姫になんかなんないし。