「誰にやられた!!?」


お父さんの焦った声…

悲しそうな顔…




私はこんなお父さんを見たかったわけじゃないのに。




「お母さんの………別の男」


言葉にしたくなんかなかった。


お父さんが選んだ相手だったから


悲しませたくなかったのに…



どれだけたくさんのことを思っても、何もできることがない私は、素直に答えることだけが今一番正しい答えだと思った。


「……っ…」


今にも泣き崩れそうなお父さんに「ごめんなさい」と言ったら、大きく頭を振り静かに泣いた。


しばらく泣きながらお父さんは何度も私に「悪かった」と言っていた。


今一番辛いのはお父さんのはずなのに…




警察に通報したらすぐにお母さんとその男が捕まった。