「此処にいるやつらはみーんな残忍な嘘つきなんだから。」

「うそ、つき....?」

「あんまり呑気な顔でいるとそのうち食べられちゃうってことー。」

水木さんは私に背を向け春君を支えた。

「ほら、帰るよー。莉菜ちゃんごめんねー。こいつ送ってくわー。」



「水木さん、優しい嘘もあるんですか?」

水木さんがドアノブにてをかけた瞬間、私は声をかけた。
水木さんは私の方は見ずに一言、こう言った。

「あると、いいね。」

水木さんが力なくいった言葉には本音が詰まってた気がする。