足元をみてみると、灰色の足枷が右足についていた。

あれ、これ....知ってる?
なんで、知ってるのかは知らない、
でも....見たことある。

「懐かしいでしょ。」

私は彼の瞳から目がはなせなかった。

「今はあの女もいないから、二人で暮らせるね。」
やめて、思い出したくない。
やっぱり、知らないままがいい。
もう追求も詮索もしないから....。
やめてよ....。

「そうだ、今なら潮の匂いだって説明できるよ。海に連れていくこともできる。」

「.......いや、いや、いや、いやっ!!」

私は狂ったように叫んだ。
綾都は嬉しそうに目をほそめた。