「莉菜っ!!」

蓮は勢いよく私に抱きついた。

「なんで、どうしたの?」

私はオロオロしながら蓮の背中をさする。

「ごめん、蓮。」
蓮は私を抱きしめたまま、なにも言わなかった。

「悪い、少し驚いただけ。」

蓮はいつもの蓮に戻り、私をそっと放した。

「昼は何がいい?」
いつもの調子で尋ねる蓮。

「私が作るからね。」
いつもの調子で答える私。

なにも変わっていない。
そう信じていた。