やっぱり先輩たちのいる階って後輩としては特に理由はなくても行きづらい。


私と凛はスポクラ、スポーツの推薦で来たから一般生とは違うクラスで、実際には棟も違う。


すなわち、部活の先輩たちがうじゃうじゃいる棟にいるのだ!!


私の部活は仲がいいし平気だけど、他の部活はすんごいオーラで出まくってる先輩もいる。


「はぁ…なんか4階ってやっぱり行きづらいなぁ〜」


「まぁ、先輩だしね!しかも3年生の。」


なんてぼやきながらもさすがに入学して早々授業の時間に遅れるわけにもいかないので私と凛は急いで階段を駆け上がる。


丁度私の右足が階段の踊り場に差し掛かった時だった。


ドンッ…


「うわぁ!」


じゃなくて。やばい!急いで下向いてたせいで前、見てなかった!!


私が慌てて顔を上げる。


「すいませっ…」


「おっと!!ごめんな!!」


私の言葉を遮るように発せられたセリフ。


なんの変わりもないたった一言なのに。


謝られただけなのに。


私の横を過ぎていった先輩の大きな背中から目が離せなかった。


「…な!みーな!!!」


「っ!なに!凛!」


「大丈夫?結構大きい先輩にぶつかってたけど…」