これがきっと最後の恋で。そしてきっと今度は幸せになれる。

14歳の夏も17歳の冬も
好きな人ができるたびそう信じて疑わなかった。私はその時のその恋を信じて突っ走っていた。
そしていつか、中学生の頃に読んだあの少女漫画のように、高校生の頃に読んだあの携帯小説のように、きっと自分にも王子様が現れて、誰よりもドラマチックな恋ができると、そう信じていた。

それがまるで見当違いだと気づいたのはいつだっただろうか。

14歳の頃に運命だと信じていた彼と4年後に再開した時、あまりの変貌に肩を落とした時?
18歳の頃に1年間片思いした彼の言葉が、全て嘘だと知った時?
恋愛こそが全てだと、幸せと恋愛がイコール関係だと、そう思わなくなった時?

きっときっかけなんて本当に小さな事で、自分でも気がつかないぐらい小さな事だった。

だけどその小さなきっかけによってもたらされたものはあまりに大きくて、私は耐えることができなかった。

それは

きっと誰もが通る道で。
きっと誰もが経験する苦しみで。

だけど、誰もが乗り越えた道を、乗り越えなければならない道を、乗り越えられなくて。

強さの意味も知らないのに、強い女になりたいと、願ってやまなかった。