「あんー、今日さ、合コン付き合ってよ」
「たこ、何急に」
この、私がたこって呼んだ子は小学校からの幼馴染、田名部 琴美(たなべ ことみ)
昔から苗字の「た」と「こ」をとってたこと呼んでいる。
「だーかーらー、ごーこーんー」
「いや、聞こえてるから」
「じゃー、いいでしょ、人が足りないの」
「んー、別に暇だけどさ、私何もしないよ、食べてるだけでいいならいいけど」
「んー、まぁ、いいんじゃない、てか、あんた、食べるって言っても…」
「あ!!!ごめん、職員室呼ばれてんだった、それ終わったらすぐ行くから」
「ん、じゃー先行ってる!○○だから、遅れないでね!」
「おっけい」
「あー、担任話長い〜やっと終わった、あ、合コンだっけ、早く行かなきゃ」
「あ!杏きたー、遅いよー」
は……………?
「おう、もう1人来たぜ、咲人」
「だからなんだよ」
「ちょっ、ちょっと、たこ、これ何よ」
「何って、合コン、二回もあんたに言ったじゃん」
「いや、それはわかってるよ、何なのこのメンツ、私がこういうの1番嫌いだって知ってんじゃん」
その、私が1番嫌いっていうのは目の前に広がる、バイクと、絶対悪そうな男ども
訳あって、私はバイクに乗る男性、それもうじゃうじゃいるのが苦手っていうか、過去の出来事を思い出すというか…
「大丈夫だって、あんた、食べる専門なんでしょ?今日、たべてたらいいじゃん、あ、自己紹介はしてよね、つれないなーって思われるのやだし」
どうしたらいいんだこの状況。
私はこの時ものすごい視線を1人からもらっていることに気づいていなかった