✩ ✩ ✩
しばらく森の中を走り続けていると、辺りに霧が立ち込めてきた。
その事に気がついたムニンは足を止め、それに釣られて私たちも足を止める。
「これじゃあ、六月の岬に辿り着けるか分からないな」
ロキはそう言いながら辺りに視線を送る。
しかしアレスは何か思うところがあるのか、私の手を握る手に力を込めた時だった。
「あ、れ……」
一瞬目の前が揺らいで、意識が飛びそうになって体が前に倒れ込む。
「おっと!」
しかし直ぐにアレスが気づいてくれて、空いている方の腕で私の体を支えてくれた。
「ご、ごめん、アレス」
「……」
アレスはじっと私を見つめると、私の体をそっと自分の方へと引き寄せた。
その行動にびっくりしたと同時に、ロキとカレンが私たちを囲むように配置に付く。
「カレン、ロキ。この霧は吸っちゃ駄目だぞ」
「分かっています」
「そんな事より、ソフィアちゃんの事は頼んだぞ!」
ロキの言葉に頷くアレスは、目の前に手をかざす。
「風!」
風魔法のおかげで、霧が少しずつ晴れていく。
そのことにホッとしてアレスの顔を見上げた時だった。
アレスは怖い表情浮かべながら、真っ直ぐ前を見据えている。それにカレンもロキもだ。
まさかと思った私も、みんなが見つめる先へと視線を送った。
「……兎人族!」
霧が晴れて姿を現したのは、武装した兎人族たちだった。
兎人族たちはみんな怖い表情を浮かべながら、私たちを睨みつけてきている。
肩の上に乗っているテトも、毛を逆立てて爪をギラリと光らせる。
すると武装した兎人族たちの一人が地面に下り立つ。
「お前ら、この先に何の用だ?」
右目に傷を持つ兎人族の男は、剣の切先を私たちへと向けると尋ねてきた。
その質問に応えるようにアレスが口を開く。
しばらく森の中を走り続けていると、辺りに霧が立ち込めてきた。
その事に気がついたムニンは足を止め、それに釣られて私たちも足を止める。
「これじゃあ、六月の岬に辿り着けるか分からないな」
ロキはそう言いながら辺りに視線を送る。
しかしアレスは何か思うところがあるのか、私の手を握る手に力を込めた時だった。
「あ、れ……」
一瞬目の前が揺らいで、意識が飛びそうになって体が前に倒れ込む。
「おっと!」
しかし直ぐにアレスが気づいてくれて、空いている方の腕で私の体を支えてくれた。
「ご、ごめん、アレス」
「……」
アレスはじっと私を見つめると、私の体をそっと自分の方へと引き寄せた。
その行動にびっくりしたと同時に、ロキとカレンが私たちを囲むように配置に付く。
「カレン、ロキ。この霧は吸っちゃ駄目だぞ」
「分かっています」
「そんな事より、ソフィアちゃんの事は頼んだぞ!」
ロキの言葉に頷くアレスは、目の前に手をかざす。
「風!」
風魔法のおかげで、霧が少しずつ晴れていく。
そのことにホッとしてアレスの顔を見上げた時だった。
アレスは怖い表情浮かべながら、真っ直ぐ前を見据えている。それにカレンもロキもだ。
まさかと思った私も、みんなが見つめる先へと視線を送った。
「……兎人族!」
霧が晴れて姿を現したのは、武装した兎人族たちだった。
兎人族たちはみんな怖い表情を浮かべながら、私たちを睨みつけてきている。
肩の上に乗っているテトも、毛を逆立てて爪をギラリと光らせる。
すると武装した兎人族たちの一人が地面に下り立つ。
「お前ら、この先に何の用だ?」
右目に傷を持つ兎人族の男は、剣の切先を私たちへと向けると尋ねてきた。
その質問に応えるようにアレスが口を開く。