「だって……前は勉強していたから怒ったんじゃん! だからこうして隠れて勉強していたのに、隠れて勉強することはないだろ? って、言っている事が矛盾しているじゃない!」
本棚に魔法書を戻し終えたアレスは、私の抗議の言葉に苛立ったのか、ゆっくりとこちらへ振り返ると、目を細めて胸の前で腕を組んだ。
「それはお前の体の調子が悪かったからだ! だから体の負担にならないように、治癒に専念して欲しくて勉強は駄目だって言っていたのにお前は――」
そこから小一時間、私はアレスの説教を受ける羽目になったのだった。
やっぱり怒ったアレスはとにかく怖くて、私に反論させる隙きも与えさせてくれなかった。
ただただ怖い形相で永遠と説教をされ続け、それが終わる頃には私の魂は抜けかけていた。
✩ ✩ ✩
「ところで、アレスは何しに来たのよ?」
小一時間正座をさせられたせいで、足がガクガクと震えてしまっている中、なんとかベッドに腰を下ろした私はそんな質問をアレスに投げ掛けた。
アレスもベッドの近くにあった椅子に座ると、私に紫色の瞳を向け口を開いた。
「お前に聞きたい事があったんだ」
「聞きたいこと?」
その言葉に私は小さく首を傾げた。
私に聞きたいことってなに? ここ最近で、アレスが気になるような事でもあっただろうか?
そう考え込んでいるとアレスが言葉を続ける。
「今朝お前さ、【夢を見た】って言っていただろ?」
「う、うん」
まさかアレスが聞きたい事って、私が今朝見た夢のこと?
「その夢のおかげで体が軽くなったと、テトから軽く話を聞いたんだ。だからどんな夢だったのか少し気になってな」
「なるほど……」
私は薄緑色の瞳を伏せて、今朝の夢の事について考える。
そして思い出した事を一つ一つ言葉にしていく。
本棚に魔法書を戻し終えたアレスは、私の抗議の言葉に苛立ったのか、ゆっくりとこちらへ振り返ると、目を細めて胸の前で腕を組んだ。
「それはお前の体の調子が悪かったからだ! だから体の負担にならないように、治癒に専念して欲しくて勉強は駄目だって言っていたのにお前は――」
そこから小一時間、私はアレスの説教を受ける羽目になったのだった。
やっぱり怒ったアレスはとにかく怖くて、私に反論させる隙きも与えさせてくれなかった。
ただただ怖い形相で永遠と説教をされ続け、それが終わる頃には私の魂は抜けかけていた。
✩ ✩ ✩
「ところで、アレスは何しに来たのよ?」
小一時間正座をさせられたせいで、足がガクガクと震えてしまっている中、なんとかベッドに腰を下ろした私はそんな質問をアレスに投げ掛けた。
アレスもベッドの近くにあった椅子に座ると、私に紫色の瞳を向け口を開いた。
「お前に聞きたい事があったんだ」
「聞きたいこと?」
その言葉に私は小さく首を傾げた。
私に聞きたいことってなに? ここ最近で、アレスが気になるような事でもあっただろうか?
そう考え込んでいるとアレスが言葉を続ける。
「今朝お前さ、【夢を見た】って言っていただろ?」
「う、うん」
まさかアレスが聞きたい事って、私が今朝見た夢のこと?
「その夢のおかげで体が軽くなったと、テトから軽く話を聞いたんだ。だからどんな夢だったのか少し気になってな」
「なるほど……」
私は薄緑色の瞳を伏せて、今朝の夢の事について考える。
そして思い出した事を一つ一つ言葉にしていく。