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「そう、あいつらにだけはソフィアの存在を知られるわけにはいかないのよ」

学校の校舎の屋根へと上り、私は青空を見上げてボソッと呟く。

「だってあいつらは、ソフィアたちの力を恐れて魔人族を滅ぼしたのだから」

表向き魔人族を滅ぼしたのは人間族だと言われている。

しかしそれは魔法協会が影で、人間族たちを操っていたことを隠すためのカモフラージュ。

魔人族と人間族の戦争に自分たちが関わっていたことを知られたら、竜人族たちは迷わず魔法協会を襲ったでしょうね。

しかし魔法協会はそれを避けるため人間族たちに戦ってもらい、自分たちは高みの見物をしていた。

きっと人間族に魔人族たちを滅ぼすようにと声明を出したのだって彼らでしょうね。

でも……何年か前に屋敷を襲ってきたあの集団は、いったい何だったのかしらね? 

まさか魔法協会は既にソフィアの存在を知っていて、秘密裏に殺そうとしたとか?

それで今は様子を見ていると……。

「情報が足りないわね」

あの子を本気で守るなら、アレスの側に魔剣の存在は欲しいところね。

今はカレンが一本持っていてくれるおかげで、戦力としては申し分ない。

しかし今のあの子……本当にあの氷結の力を使いこなしているのかしら?

あの時魔人ソフィアと戦っていた時、私は確実にカレンが勝つと思っていた。

しかし彼女は魔剣サファイアにヒビを入れ、呆気なく敗北してしまった。

その光景を見て目を疑った時、同時に彼女の力も疑ってしまった。

しかし彼女は紛れもなく、魔剣サファイアに選ばれた子。

だからその力に疑問を思うところがあるのは確かよ。