レーツェルさんに座るように促された俺たちは、それぞれ席に付いてブラッドさんへと視線を送った。

テトはソフィアの膝の上に、そしてムニンは俺の右肩の上に乗っかっている。
 
カレンはブラッドさんから少し離れた位置の椅子に座り、そんな彼女の隣にはロキが座る。
 
人間の姿へと戻ったサファイアさんとエクレールさんは、ブラッドさんの側へと寄った。

「それじゃあ、まず何から聞きたい?」
 
最初に口を開いたのはブラッドさんで、俺たちにそう質問を投げ掛けた。

その言葉に俺とソフィアは顔を合わせる。そして俺は口を開いた。

「ブラッドさんが知っている全てについて、俺たちは知りたいです」
 
俺の言葉にブラッドさんは軽く目を見張ると微笑した。

しかし直ぐに真剣な表情を浮かべると、直ぐ後ろに居る魔剣の四人に目を配った。

「じゃあまず、魔剣のことから話そうか。お前たちも知っていると思うけど、魔剣とはエアの恩恵を受けた存在として、エアが戦争を終わらせたと同時にこの世に落とされた存在たちだ」
 
ブラッドさんの言う通り、魔剣はそういう存在だ。

しかし魔剣が人間になれるなんてことは、きっと誰も知らないのだろう。

でもどうして人が魔剣の姿になれるんだ?

「しかし……その言い伝えが間違いだと言ったら、お前たちはどうする?」
 
その言葉に俺たちは目を見張った。

言い伝えが間違いって、どういう意味なんだ?

「確かに魔剣はエアが戦争を終わらせた後に、この世界に落とされた。その点に関しては間違っていないんだけど、エアが戦争を終わらせたと言う話の部分が、俺が知っている話とは大分違ってな」

「あら、どう違うって言うのかしら? もしかして戦争を終わらせたって言うのが、エア本人じゃないとでも言うのかしら?」