「え、エクレール?」

「そう言えば、ちょっと気になったことがあるのです」

「気になったこと?」
 
いったい何だ? 

そう思って首を傾げた時、エクレールはレーツェルの左手の薬指に付けられている、金色の指輪を見下ろした。

そしてその指輪は俺の左手の薬指にも付いているのを確認すると、周りに花を飛ばしながらニッコリを微笑んだ。

「あらあら、まあまあ! お二人とも婚約なされたのですね!」

「……っ!!」

その彼女の言葉に俺たちは顔を真っ赤にした。

「どうして早く言ってくれないのです! もっと早く言ってくれれば、結婚の準備だってしたのですよ!」

「い、いや、それは別に良いんだ!」

「そ、そうです!」
 
た、確かに婚約したという意味で、レーツェルに俺から指輪は送った。

しかし結婚は……。

「あっ! それなら全員が揃ったら、結婚式をあげるのです!」

「えっ、ええ!」
 
そのあとエクレールはレーツェルにどんなドレスを着たいのか、どんな式場が良いのかなど、色々と質問していた。

そんな俺たちの様子を、サファイアは優しい表情を浮かべながら見守っていた。

「こうしては居られません! サファイアも早くコスモスさんに告白するのです!」

「その話しはもう良いだろ!」
 
守護者たちが全員集う日はそう遠くはない。
 
だからもう少しだけ待っていてくれ、トト。