オフィーリアはエアの末裔と呼ばれる最後の生き残りの人で、エアの雫だった星の涙を守りながらレーツェルさんと共に、守護者を集める旅をしていた。
 
その中でオフィーリアは先生と出会って、お互いに恋に落ちた。

「……っ」
 
オフィーリアの事を話していた時の先生は、昔を懐かしむように、そしてとても辛い表情を浮かべていた。

「オフィーリアは死んだ、俺のせいで」
 
その言葉を聞いた時、先生は今にも泣きそうな顔を浮かべていた。

オフィーリアを守れなかった事を深く後悔しているようにも見えて、私は何も言うことが出来なかった。

「だから俺は彼女がやり残した事を引き継いだんだ」
 
先生がどれだけそのオフィーリアを愛していたのかを、私は知ってしまった。

こんな苦しい気持ちになるなら、彼女の話なんて聞かなければ良かったとすら思った。
 
でも……今の私は先生の側で力になって上げることが出来る。

オフィーリアではなく、今の私なら先生の側で一緒に歩んでいく事が出来るんだ。
 
そう思って、その話を先生にしようと思ったら。

「カレン。悪いが……お前をこの旅に同行させるつもりはない」
 
私はその言葉に目を丸くした。それと同時に体も震えた。
 
どうして先生がそんな事を言うのか分からなかったから。

「カレン。俺からお前に一つだけ命令しておく」
 
先生はもう二度と、氷結の力を使うなと私に言った。その力は私の命を削るもので、発動し続ければ私の命がないと。
 
でも……そんなこと私には関係なかった! 

私はずっとサファイアに認められたくて、先生の力になりたくて頑張ってきたのに! 

先生のそのたった一言で、全てを拒否されてしまった感覚に陥られた。

「俺はお前が死んだら……悲しいぞ」
 
その言葉を思い出して私は歩く足を止めた。そして涙がボロボロと頬をつたる。