彼女の存在を忘れ、のうのうと生活を送っていたあの頃の自分は、俺は今でも許す事が出来ないで居る。

もっと早くに思い出して居れば、もっと早く彼女に出会う事が出来ていたらと、何度後悔しただろうか。

しかし何度後悔し続けたって、死んだ者が帰って来るわけでもなかった。

「オフィーリアは死んだ、俺のせいで。……俺は彼女との約束を…破ってしまった」
 
俺は【必ず守る】と彼女に約束した。

しかしその約束を俺は果たす事が……出来なかった。

「だから俺は彼女がやり残した事を引き継いだんだ」
 
オフィーリアはどの守護者たちよりも、みんなが早く揃ってエアと守護者たちの約束が果たされる事を望んでいた。

だから俺は彼女に変わって、必ずその使命を果たすと約束した。

「それが……先生の最大の目的なんですか?」

「そうだな、それが俺の使命だからな」
 
そう言って俺は星空を見上げた。
 
するとカレンは目尻に涙を浮かべると頬へと伝らせた。

「先生……私はようやく、サファイアに認められました。だから今度は、先生の側で力になってあげる事が出来ます!」

「……カレン」
 
カレンが俺のために強くなろうと、サファイアに認められようと必死に頑張っていたのは知っていた。

当然、彼女の気持ちにだって気づいていた。

でも……。

「カレン。悪いが……お前をこの旅に同行させるつもりはない」
 
その言葉に彼女は目を丸くした。

「確かにお前はサファイアに認められて、氷結の力を使って黒い粒子の侵食を抑えてくれた。その事は感謝しているし、凄いとも思っている」

「だ、だったらどうして!」

「カレン。俺からお前に一つだけ命令しておく」
 
俺は目を細めてカレンにいう。

「もう二度と、氷結の力を使おうとするな」

「……えっ」

「氷結の力はお前の命を削って発動するものだ。連発し続ければ、お前の命はないんだ」

「そ、そんなこと関係ありません! 先生の役に立てるなら、私は死んだって!」

「カレン!」