「もう少しでお前に会えると思ったら、嬉しい半面……今の俺がやっている事は、本当に正しいのかって思うんだ」
 
こんなこと……アルたちには言えない。

二人は俺のやる事を信じて、ここまで着いて来てくれたんだから。

でもやっぱりどこかで不安に思うところはあったんだ。

本当に俺のやっている事は正しいのか、本当にもう一度お前に会えるのかって……、不安でたまらなかった日は二人を置いて一人で泣くことだってあった。

「でもそのたびに……お前がくれたこの守護石で元気になれた。お前が頑張れって言ってくれているような気がしてさ」
 
その言葉と共に左目から涙が零れた。

「お前に会いたい……よ。オフィーリア」
 
そう小さく呟いた時だった。

「先生?」

「っ!」
 
直ぐ後ろでカレンの声が聞こえた俺は、慌てて涙を拭って彼女の方へと振り返った。

「ど、どうしたカレン? こんなところまで一人で来てどうしたんだ?」

「その……」
 
カレンは頬を赤く染めると、そのまま俺の隣に座った。

「先生に……聞きたかった事があるんです」

「俺に?」
 
彼女のその言葉に俺は首を傾げた。

そして―ー

「先生が言っていた【彼女】と言う人は、どんな人だったんですか?」

「えっ……」
 
そこで俺は前にカレンとした話を思い出した。

まさかずっと気になっていたのだろうか?

「知りたいのか? 彼女について」

「……はい」
 
カレンは瞳を揺らしながら、顔を伏せて小さく頷いた。

その姿に俺は少し困った顔を浮かべた後に、昔を懐かしむように口を開いた。