エーデルも無事に見つかり、また新しい命が誕生した事を祝って、村では宴が行われた。

「まさか……私が眠っている間にそんな事があったなんて」
 
遺跡からザハラの家に戻った時、ソフィアは目を覚ましていた。

彼女が無事に目を覚ました事に喜んだ俺たちは、ソフィアが眠っている間に起こった事件の事を全て話した。
 
そしてそのままソフィアは、俺たちと共に宴へと引っ張り出されてしまった。

「ソフィアちゃん! ほんっっっとに目が覚めてよかったよ!」
 
さっきまでカレンの側から離れなかったロキは、今度はソフィアの側から離れようとしない。

そんなロキをソフィアは苦笑しながら相手をしている。

さすがにまだロキの相手をさせるわけには行かないと思い、ソフィアから引き離そうとした時だった。

「駄目なのですよ!」

「え、エクレールさん?」
 
するとロキとソフィアの間に、エクレールさんが割って入ってきた。

「さすがのわたくしでも、ソフィアちゃんのお婿さんは真剣に選びたいと思うのです」

「お、お婿さん?! てか……あなた」
 
誰? と言葉を続けようとしたソフィアを、エクレールさんはギュッと抱きしめた。

「はう〜……とても可愛いのです。とてもキュートなのです。さすがソフィアちゃん!」

「あ、あのっ……」
 
ソフィアをめっちゃ愛おしそうに愛でている彼女を、さすがのロキでも引いたらしく彼女と距離を取った。

「あ、あのエクレールさん。ソフィアはまだ病み上がりなんで、ほどほどに……」
 
俺の言葉にエクレールさんはシュンとすると、潔くソフィアから離れた。

「そうですね。これからは毎日ソフィアちゃんに会えるのですから。今日のところは我慢するのです」
 
た、確かにこれからは毎日会えるけど……、毎日ソフィアにこうして抱きつくのかな? 

ふとそんな事を思ったら複雑な気持ちに襲われた。