「くそっ! 挟み撃ちかよ!」
俺は唇を強く噛んで拳に力を込めた。
「ちっ! こんなところで死んでたまるかっての!!」
ムニンは右手を変形させると、黒い粒子に突っ込んでいく。
「や、やめろ! ムニン!」
「破壊の牙!!」
爪を鋭く地がらせたムニンは、そのまま黒い粒子を切り裂いた。
しかし切り裂かれた黒い粒子は、また直ぐに元の形に戻ると、固まりとなってムニンの右手に付着した。
「なっ!」
そのまま黒い粒子は、ムニンの魔力を吸収し始め右腕を徐々に黒くしていく
「あ、がっ! があああっ!!」
「ムニン!」
俺は目の前に手をかざす。
「光!」
黒い粒子によって光を放ち、一瞬怯んだ隙きに俺は小さい姿に戻ったムニンを回収した。
「ムニン! しっかりしろ!」
「うっ……ぅぅ」
俺は急いでムニンの右腕に治癒魔法をかけ始める。
しかし黒くなってしまった右腕に、俺の治癒魔法は効かないのか、黒くなっている部分が徐々にムニンの体に侵食し始めていく。
「な、何でだよ! どうして治癒魔法が効かないんだ!」
「おい! アレス!」
すると俺の背後まで迫っていた黒い粒子の群れを、アレスが魔法を使って遠ざけてくれる。
「ロキ! 助かった!」
「助けるのは良いけどさ! このままだと俺たちも危ないぞ!」
「くっ……!」
既に俺たちは逃げ場を失っていた。黒い粒子たちによって完全包囲されてしまい、もう逃げることは不可能に近かった。
「瞬間転移を使って逃げるか?」
「いや……こいつらはきっと、俺たちの魔力を狙っている。瞬間転移を使って他の場所に移動しても、直ぐに追いかけて来るだろう」
「はは……まさか人生で始めて追いかけて来た子ってのが、人の魔力を喰らう化物だとはな……。流石に洒落にならないぞ」
そう言ってロキは顔を青くした。
瞬間転移を使って他の場所に移動すれば、少しは逃げ道を確保出来る。
しかし直ぐにこの黒い粒子たちは俺たちを追いかけてくる。
どうやら魔力の味を知ってしまったみたいだしな。
そう簡単には俺たちを見逃してくれそうにない。
「あ、れす……」
「ムニン?」
ムニンは息を荒くしながら人間の姿になる。
俺は唇を強く噛んで拳に力を込めた。
「ちっ! こんなところで死んでたまるかっての!!」
ムニンは右手を変形させると、黒い粒子に突っ込んでいく。
「や、やめろ! ムニン!」
「破壊の牙!!」
爪を鋭く地がらせたムニンは、そのまま黒い粒子を切り裂いた。
しかし切り裂かれた黒い粒子は、また直ぐに元の形に戻ると、固まりとなってムニンの右手に付着した。
「なっ!」
そのまま黒い粒子は、ムニンの魔力を吸収し始め右腕を徐々に黒くしていく
「あ、がっ! があああっ!!」
「ムニン!」
俺は目の前に手をかざす。
「光!」
黒い粒子によって光を放ち、一瞬怯んだ隙きに俺は小さい姿に戻ったムニンを回収した。
「ムニン! しっかりしろ!」
「うっ……ぅぅ」
俺は急いでムニンの右腕に治癒魔法をかけ始める。
しかし黒くなってしまった右腕に、俺の治癒魔法は効かないのか、黒くなっている部分が徐々にムニンの体に侵食し始めていく。
「な、何でだよ! どうして治癒魔法が効かないんだ!」
「おい! アレス!」
すると俺の背後まで迫っていた黒い粒子の群れを、アレスが魔法を使って遠ざけてくれる。
「ロキ! 助かった!」
「助けるのは良いけどさ! このままだと俺たちも危ないぞ!」
「くっ……!」
既に俺たちは逃げ場を失っていた。黒い粒子たちによって完全包囲されてしまい、もう逃げることは不可能に近かった。
「瞬間転移を使って逃げるか?」
「いや……こいつらはきっと、俺たちの魔力を狙っている。瞬間転移を使って他の場所に移動しても、直ぐに追いかけて来るだろう」
「はは……まさか人生で始めて追いかけて来た子ってのが、人の魔力を喰らう化物だとはな……。流石に洒落にならないぞ」
そう言ってロキは顔を青くした。
瞬間転移を使って他の場所に移動すれば、少しは逃げ道を確保出来る。
しかし直ぐにこの黒い粒子たちは俺たちを追いかけてくる。
どうやら魔力の味を知ってしまったみたいだしな。
そう簡単には俺たちを見逃してくれそうにない。
「あ、れす……」
「ムニン?」
ムニンは息を荒くしながら人間の姿になる。