「紺野 咲です。
サッカー部のマネージャーをしてます。
1年間、よろしくお願いします」




しっかり前を見据えて桜色の唇から発せられたのは僕にとっては衝撃の事実だった。





そうか、君が噂の紺野 咲だったのか…。
なんて妙な具合に納得してみたり。





もう少し脩太のように学校事情に耳を傾けておくんだった、と少しばかり後悔した。





そうすれば、もっと早くに君に出会えていたのに。





自分の自己紹介の順番がきても、何を話したのか全く覚えていなかった。
つまり僕はそれほどに動揺していた、ということなんだ。