2年3組。
この教室で1年間を過ごす。






「暁!今日の俺、めちゃくちゃツイてる!!
あの紺野と同じクラスなんてさぁ」






後ろの席から悪友でもある山名 脩太(ヤマナ シュウタ)が声を潜めて興奮した様子が十分に伝わる程で話しかけてきた。





HRで自己紹介をしてる担任を窺い、脩太と同じく声を潜め聞き返した。





「紺野?誰、それ」






「お前知らねーの?
紺野 咲って入学した時から可愛いって有名だろ?」





「あーそういえば聞いたことある、かも」






実際、誰が可愛いかなんて興味がない。





僕の中では君が1番。
それ以外はいらないから。





一目で恋に落ちた、なんて言ったら君は笑うかな?





君の笑顔を想像してみるけど、出来そうにない。





僕は君の泣き顔しか知らない。