なんとなく、その先を聞くことが躊躇われて僕は必死に話題を変えた。





「紺野さんは桜、好き?」





そう口にした後にしまったと思ったけれど、一度口にしてしまった言葉はもう消すことが出来ない。





なぜ桜…
それは未だに僕の中では君と桜は切っても切り離せないから。





君、イコール桜。
桜イコール、君。





黒目が大半を占める、その大きな瞳をわずかに見開く、という反応を示した君は戸惑いながらも答えてくれた。





「うーん…
好き、なのかな。多分。
嫌いにはなれないから」