始まりは桜の季節だった。





淡い、ピンクと眩いばかりの緑が入り交じった桜の木の下で、君は泣いていた。




そんな君の姿になぜだか僕は目が離せずにいた。






どうして泣いていたのかなんて今更聞けやしない。





けど、想像してみることはできる。






報われない恋の為に涙を流していたのかもしれない、と。






なぜだか、妙な直感によってそう思ったんだ。