酔っぱらってる……何を言っているんだ。

私の何処が酔っぱらっていると言うのだ!?

「ほら、タクシー呼んでやるから
それか、また泊まっていく気か?」

課長の発言にピクッと反応する。

そうだ!!
こうもあろうかと準備をしてきたのだ。

私は、ムクッと起き上がると
ゴソゴソと大きなカバンを持って見せる。

「じゃじゃーん。
こんな事になろうかと思いまして
ちゃんとお泊まりセットを持ってきました!」

私は、ニコニコしながら得意気に応えた。

女子力の基本と言ったらこれでしょ!?

お泊まりセット。

お泊まりセットの中には、着替えや下着
メイクなど必要な道具が入っている。

これで、いつ課長宅に泊まることになっても
前みたいに朝とか困らない。

きちんと先のことを考えているなんて
女子力には、必要なことよね。

得意気に言う。
しかし課長は、背中を向けて肩を震わしていた。

あれ……?
課長……どうしたんだろうか?

「課長……?どうかなさったんですか……」

「生田。お前……俺を殺す気か?」

えっ……?
殺すって……どういうこと??

課長の言っている意味が分からなかった。