「あんた……何で自分のことになると鈍いの?
いい?よく考えてみなさい。
いくら部下のためだとしてもわざわざ
お互いに独身なのに……家にあげる?しかも
寝たら起こせばいいだけじゃん」

「なのに、自宅に泊まらせて
弁当や着替えまで用意するとか
意識しまくってるじゃん。
それが逆の立場なら男は、落ちるわよ!?」

春乃にビシッと指摘されてハッとする。

そ、そうだ!!

逆の立場なら男なんてイチコロだろう。

異性の自宅に行くのもドキドキなのに
手作り料理にデザート。

その上に寝落ちしたからって……自宅に
泊まらしてくれて。

快く朝ご飯に弁当まで。
しかもその腕は、旨い。完璧だ!!

極めつけは、着替えの服まで用意してくれる
気遣い……。

課長……女子力が完璧過ぎる。

私は、女として負けたと思い落ち込んだ。

「ちょっと何で落ち込むの?
普通は、そこは頬を赤らめるところでしょう!??」

「ダメだ……負けた。
課長に女として負けた……」

「はぁっ?」

課長に女子力を教えてもらうはずが
打ちのめされてしまう。