「でもでも、1位って誰だったんだろね?」


確かに...

私もこの学校に入ってからの最高順位は2位で。

この前は少し遊び過ぎたせいか5位に落ちていた。


でも、1位を取れたことがなくて
恐らく毎回1位を取っているのは同じ人物なのではないかと思う。


そんな中、


成績表を見比べてはしゃいでた男子が暑いから窓開けるーと言って豪快に窓を開けた。


春先の風は強くて、ばっとカーテンが波立つ。



「わっ、」



私の目の前に飛んで来た紙。



タイミングよくキャッチをすると、そこに書かれてあったのは私が喉から手が出るほど欲しいと思っている1位の成績表。



「入山、凛斗...」


まじまじとその紙を見つめていると私の前に大きな影ができた。



「...返して」



それだけぶっきらぼうに、冷たい目で私を見下ろしながら言って来た。



「あ...ごめん...」



差し出すと、さっと受け取り自分の席へと戻っていった。



一瞬の出来事だったけど、何だったんだ...