その頃からだろう。


私は母から距離を置くようになった。


それに気付いてか、母も私をよく祖父母に預けることが多くなった。


その間に母は新しい職場を見つけ、
そこで出会った若い男に恋をして今に至る。


しかし祖父母ももう歳を取り、施設に入れられた。


その為私は帰る場所があの母との家しかなくなった。


母も若い男と付き合って結構長い。

私が記憶している計算が正しければ私が小学5年の頃からだ。



きっと私なんて邪魔者いなければ、今頃結婚して再スタート切ってるんだろうな


どちらにせよ、私が高校を卒業して一人暮らしを始めれば

私にとっての実家なんてなくなったも同然になるだろう。


キッチンに置いてあったレトルト食品。


母からの置き手紙。


『今日も遅くなるから、チンして食べて』


置き手紙をゴミ箱に捨てると、
レトルト食品も迷ったけど、別に置いてあったって食べないだろうと捨てた。


今日は疲れた。

勉強は明日にして、早く寝よう。