「...りいちゃん、すっげぇ可愛い。」



情事後、裸のまま後ろからぎゅっと抱き締められる。


きっと私の方が男っぽいのか、ドライなのか、

正直ときめかなかった。


「りいちゃん、彼氏は?」


「いたら、こんなことできないよね。」


「まーそうだよね。
じゃあこれからは俺とだけ、ってことはできない?」



「それってどういう意味?」



「端的に言うと、付き合わない?ってこと」


ちゅっ、と首筋に唇を這わせてくる。


正直彼はブサイクなわけでもない。

イケメンってほどでもないけど。


でもとりわけ何か魅力を感じるかと言われたら、
別にそんな事もない。



何より、私がやってるこの関係に
今まで恋愛感情なんて持ち込んだ事ないから

彼を1人の男性として見たことはなかった。



「んー...ちょっと考えさせて。
次会う時にでも、返事はするから。」


そう言うと、彼は困ったように頭を掻きながら引きつった笑みをした。


「分かった。じゃあ、部屋出た後飯でもどう?
俺、奢るから。」


ご飯くらいなら。

どうせ母親が用意していったご飯なんてインスタントだし。


そう思って快諾した。