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to:立川幸成くん☆
subject:やほっ(≧∀≦)
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お疲れ様~♪
もうお仕事終わったかな
ぁ?
黒服も大変だぁッ!!

えっとねー
今日うちにァユが泊まっ
てくょ(〃ω〃)
だから明日のお迎えゎこ
っちに直行してねぇ☆

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猛スピードで動く美香の指。
あっという間に幸成へのメールが完成した。

早くて、そして可愛いメール。
自分のと比べてみると、妙に切なくなった。

顔文字とか入れたら可愛くなるかなぁ?
なんて、そんな可愛いメールを送る相手なんていないけど。

『アユってさー、十和さんが好きなんだよね?』

と突然、突拍子もない質問をされる。

『好きとか有り得ないからッ』

『え~? あんな若くてイケメンなのに?』

若いとかイケメンの問題じゃなくって、
やっぱ、なんて言うか……

【客になったつもりないから】

ああ、駄目だ。
うまく言葉が出ない。

『もしかして認めたくないのかな~?』

両耳を引っ張られ、意地悪な笑みを見せられる。

そうか。
認めたくないのかも。
だって私、誰も好きになった事ないもの。

『ほら認めちゃえ! 私みたいにさ!』

【私、幸成くんが好き】

美香のように?
あんな台詞を声に出さなきゃいけないの?

そんなの……無理!

『確かに、いい人だって思うけど。 でもやっぱ恋愛対象じゃないよ』

そうそう、恋愛対象じゃない。
ないんだけど……

『あはっ! アユ、顔真っ赤なんだけどー』

何故か顔が熱くなる。