「おい芙祐」


って、機嫌の悪そうな声。



「ヤヨちゃんおはよ」


「おはよー弥生くん」


「ちょっと」


来いって、ヤヨ、挨拶の返事もせずにあたしの腕を引っ張った。



「え?何……なんで怒ってるの?」


「怒ってねぇし」


いや、怒ってるよね。



「慶太くんと話してたから?」


「そんなんじゃないから」


まさか……麻里奈ちゃんと話したのがまずかったとか?
それとも今日なんか約束してたっけ?


うん、わかんない。



「ごめん、なんで怒ってるの?」



「このバカ女」



「なんて口の悪い猫ちゃんなの」


「あ?」


ヤヨ、超怖い。

怖いけど、意味わかんない。


「もう、離してよ」


引っ張られてた手振り払って、止まる。


ヤヨを見ると、やっぱり不機嫌オーラがもくもく。



「言ってくれなきゃわかんないよ」


どうせ、バカ女だもん。
ヤヨのばか。