女子トイレ、長蛇の列。
遊園地のアトラクション張りに並んでる。



「芙祐ちゃん、なんかごめんね……」


麻里奈ちゃんのしおらしい声。
そんなものに負けたくなくて



「ううん、見つかってよかったよ」


なんて、うわべの笑顔を浮かべるあたし。
全力の強がり。



そしたら。

「あ、ソレ。可愛い!」


麻里奈ちゃんがあたしの手首を指さして
目をキラキラさせて、眺めてる。


「あぁ、これ?」


クリスマスにヤヨから貰ったブレスレットを麻里奈ちゃんの方へ向けると


「新作だよね、これ。やっぱり可愛いー」


って、うっとりと眺めている。


麻里奈ちゃんの細い指先が、
きらきら輝くスワロフスキーに触れた。



「……麻里奈ちゃん、ここのアクセサリー好きなんだね」


「うん。派手過ぎないし、キラキラして可愛い」


「そっか。たしかネックレス、持ってたよね」


「うん。あと指輪も。さすがにもう、指輪はできないけどね」