―ドクンドクン・・・

―ザァ・・・。

「あの・・・!」

彼女の茶色い光がまたオレへと向けられた。

―ドクン・・・ッ、ドクン

―ザァー

雨が胸の高鳴りを消す。

もっと降れ・・・

彼女にこの音が聞こえてしまわぬように。

オレが乱れてしまわぬように・・・。

「よかったら使って下さい。返さなくて結構です。」

傘を彼女に渡した。

「・・・あの!」

「―ありがとうございます!!」

黒い傘を持ちながらオレに微笑んだ。




―・・・だからもっと降れって言ったじゃん・・・・・。

君を好きなってしまう前に雨よ・・・オレを隠せ。

オレを濡らせ。

オレを・・・消せ。