男20年。

矢野 翼は、傘を貸してあげた方がいいのか、そのままスルーしてもいいのが迷っていた。


その時、瞳が逸らされた。

そしてオレは、歩き出した。

―パシャパシャ・・・


―・・・彼女の前を通りすぎたあと後悔した。

後ろを向いて彼女を見た。

5mほど先の彼女の横顔は、どこか悲しかった。

―パシャパシャ

オレは、歩いた。


そう・・・彼女の元へ。