12月10日、結木 雪人が死んだ。





それはそれは寒い日であり、同時にソイツの誕生日でもあった。
ソイツが死んだと知らされた時、私は



あぁ、誕生日に死ぬなんてなんと可哀想なヤツだろう。



そんなことくらいしか思わなかった。


何故だが分からないがそんな事くらいしか頭に浮かばなかった。


ただ、何となくアイツはふと私の前から居なくなる気が前々からしていた。


別に私に予知能力などない。
あったらもっと楽に生きているし、こんな私を置いて死んでいくヤツなどとは付き合わなかった。


ただ、ホントに何となくだけど




雪が消えて行くのと同じくらい自然に、静かに、私の前から消えてしまう気がしていたのだ。