「仕方ありませんね。蕾様もお忙しいようですし私が採りに行って――」

「いい! 私が行くから!!」


百合さんが自分で採りに行って作った物なんて殿に食べてほしくない。
よもぎ餅がいるのなら私が自分で作ってやる。


「では引き受けて頂けるのですか?」

「ええ」


お互いかお互いを睨めつける。
漫画とかだったらバチバチと火花が散っていそうだ。


これ以上話したくもなくてズカズカと林へ向かって歩きだした。





「蕾様」






振り返ると百合さんはニッコリと笑って、



「林の奥には小さな崖がいくつかあるそうです。なにとぞ足下にはお気をつけて」






何か引っ掛かるような笑みに私の胸は少しざわついた。


何か企んでる?

まさか、ね……