重たい瞼をゆっくりと持ち上げて入った視界には真っ白な天井。

聞き覚えのある機械音がリズムよく聴こえてくる。

意識が朦朧とする中、体を起こし周りを見渡す。

白い棚の上には見慣れたお母さんの鞄。

私を取り囲む白い壁。

ここ。病院…?

その時、病室のドアが静かに開いた。

「お母さん…。」

「美穂っ!」

心配そうな表情で掛けよってくるお母さん。

ボサボサの髪の毛。

目の下にできたクマ。

「ごめんね…。お母さん。」

機械音に掻き消されてしまいそうなくらい小さな声だった。

「なんで美穂が謝るの 。取り敢えず、先生呼ぶね。」

そう言ってナースコールを押すお母さん。