「洸ちゃんは、部活なやってないの?」

「…やってねぇーよ。」

「やらないの?」

「…やったっていいことなにもねぇよ。」

あ、まただ。昨日と同じ。

寂しそうな悲しそうな表情。

なんで洸ちゃんはこんな表情をするんだろう…。

「洸ちゃん。毎日ここ来てもいい?」

「は?俺がこねーとここ入れねぇじゃん。」

「だから、洸ちゃんも来るの!」

そう言うと洸ちゃんは「めんどくせぇ。」とボソッと呟く。

そんなこと言いながら断らない洸ちゃんは優しいとおもう。

「じゃあ、約束ね!」

そう言って洸ちゃんの顔の前に小指を差し出す。

それを黙って見つめる洸ちゃん。

「ほら!指だして!」

洸ちゃんの手を無理やりとって私の指と絡める。

「ゆーびーきりげんま、嘘ついたら針千本のーます!ゆびきった!」

私たちは青い空の下、小さいようで大きな約束をした。