私は生徒手帳の中から1枚のカードを取り出す。
そこには「ドナーカード」と表示されている。
本当は、こんなもの持ち運びたくないけど…。
いつ死ぬか分からない私にとっては大切なもの。
医者からこの話を聞いた時お母さんが猛反対する隣で私は静かに頷いた。
お母さんは驚いたような悲しいような目で私を見つめながら静かに涙を流していた。
「私の死が誰かのためだって、そう思いたいの。」
そう言ってニコッと笑った私にお母さんは何も言わなかった。
このことは親友の泉にも言っていない。
誰にも言わない、知られてはいけないものだから…。
私はカードを生徒手帳の中に戻すと制服の内ポケットの奥に押し込んだ。
そこには「ドナーカード」と表示されている。
本当は、こんなもの持ち運びたくないけど…。
いつ死ぬか分からない私にとっては大切なもの。
医者からこの話を聞いた時お母さんが猛反対する隣で私は静かに頷いた。
お母さんは驚いたような悲しいような目で私を見つめながら静かに涙を流していた。
「私の死が誰かのためだって、そう思いたいの。」
そう言ってニコッと笑った私にお母さんは何も言わなかった。
このことは親友の泉にも言っていない。
誰にも言わない、知られてはいけないものだから…。
私はカードを生徒手帳の中に戻すと制服の内ポケットの奥に押し込んだ。