「あ。」

洸ちゃんは私を見ると無言でこっちに近ずいてくる。

教室中にいる皆の視線が2人を囲む。

「えっと…。洸ちゃん?どうしたの?」

「お前…。」

「え?」

洸ちゃんは私の顔をじっと見たままその先を言おうとしない。

私は洸ちゃんの腕を引っ張って教室の外へでる。

教室とは対照的で静まり返った廊下で私たちの間には気まずい空気が流れる。

私は俯いていた顔を上げると洸ちゃんと目が合う。

すると洸ちゃんはズボンのポケットの中からなにか取り出し私に差し出す。