その時、教室のドアが勢いよく開いた。

教室にいた全員の視線がドアの方へ向けられる。

そこに立っていたのは…。

「洸ちゃん…?」

洸ちゃんはドアの前で立ち止まったまま教室を見渡す。

「あれ、笹川洸稀じゃん。何しに来たんだろ。」

隣にいた泉が声のトーンを低くしながらボソッとつぶやく。

「泉…。あの人知ってるの?」

「知ってるもなにも…。この学校じゃ結構有名人よ。1年の時に暴力事件起こして停学になったの。」

「え?」

「ついこの間まで学校来てなかったみたいだけど。」

と泉は付け加える。

暴力…?停学…?

泉の言葉の意味が理解出来ず洸ちゃんを見つめる。