見上げるとそこには雲一つ見当たらない青く澄んだ空が広がっていた。

届くはずもない空に向かってグッと手を伸ばしてそのまま芝生の上ひゴロンっと寝転がる。

そっと瞼を閉じると色々な音が耳の中に入ってくる。

ボールをける音、地面を蹴る音、ボールが、ミットに収まるおと、笑い声、怒鳴り声、掛け声、

それぞれが、シンクロして頭の中に色々な音が入ってくる。

「おい。」

突然、頭上からドスのきいた低い声が聞こえてきた。

声のした方に目線を向けるとポケットに手を突っ込んで不機嫌そうな顔をした彼と目線が重なる。