「こんにちは、エヴェリーナさん」
「貴方は………?」
「王妃様を知らない…?!」
辺りがガヤガヤと騒ぎ始める。女性はそれを制する。
「私はフランチェスカ。この国の王妃です」
私は城に連行されていた。
「何故奴隷さんを連れているのですか?」
「………傷の手当をしようと思いまして。……貴方も…」
「…??」
「…いえ、愚問ですね。………私をどうするおつもりですか?」
「どうする…と言われましても………騎士が連れてきてしまいましたので…」
「……帰ってもよろしいでしょうか」
「はい。ですが、これだけは言わせてください。………あまり軽率に行動していると、大切なものを失いますわ」
「それって………」
「エヴェリーナ様、お父様がお見えです」
「あ、えっと……失礼します」
王妃様に会釈し、城の門を目指す。