「何故ですか?!」
「無断に外出した罰だ。1週間、部屋で大人しくしていなさい。お前の部屋にはオリバーを付ける」
オリバーとはこの屋敷の従者だ。主に私の護衛をしてくれている。
「外は危険だと言うことは分かります。ですが、外出しなくては何も学べない!!父上、私は貴方の人形ですか?」
ただ置いておくだけの存在。
「エヴェリーナ様」
「分かってるわ。………父上、私、この国の事を知りたいんです」
奴隷達のこと。私には知らない事がありすぎる。
「………失礼します」
ドアを思いっきり強く閉め、自分の部屋に入る。
「…私が大人しくここにいるものですか」
窓から外へ飛び降りる。そして、いつもの路地裏へと走る。
「え…………?」
ノアの周りを騎士が囲んでいた。
「何をしているのです」
「貴方は………?」
ノアは血だらけで倒れていた。
「あなた達がこんな事を………?」
「こんなこと?相手が奴隷なら、当然の事でしょう?」
「ですが、これは立派な犯罪です」
「奴隷なら犯罪にはなりませんよ。……そんな事も知らないのですか?」
なんなの?奴隷ってレッドが言っていたように、モノなの?機械かなにか?
「奴隷は………機械なのですか?」
「何言ってんだこいつ。奴隷は奴隷だよ。ただのモノ。ただ俺たち上の奴らにこき使われる奴ら。ゴミ同然だな」
「………!!!!」
私の中で何かが切れた。私は騎士を蹴り倒す。
「武器持ってないな………」
女の私が男性に勝てるはずもなく……。
「ちょっ………!離しなさい!!」
「暴力罪で連行致します」
騎士に強引に引っ張られる。私はノアの手を引き、ズルズルと引っ張られる。