夕飯を食べ終わって部屋で雑誌を読んでいると、琳が部屋に来た。


あ、もちろんノックしてくれたよ。


「どうしたの?」


「今日、倉庫行ったんだってな」


「なんで知ってるの?」


「俺の情報網舐めんなって」


「あーはいはい」


天下の琳様とあれば人脈は想像出来ないくらい広がっている。


昔身を持って私は知った。


「んで?何が言いたいの?」


「お、さすが妹。分かってるじゃねぇか」


「だって私だもの」


「希龍、居心地良かっただろ」


ハテナマークを付けずに、肯定して言った琳。


「……………」


本当に、この男は侮れない。


「無言は肯定だな。別にそれを悪く言いに来たん訳じゃねぇし怒りにきたわけでもねぇ。恋が、今の希龍を気に入って居心地が良いと感じるなら、俺は恋が希龍に"戻る"のは賛成だ。それだけは覚えておいてくれ。あとはお前の自由だ。恋。」


「わ、たしは……」


琳の言いたいことは痛いほど分かる。


今の希龍と過ごすのも離れるのも決めるのは私。