「恋」
「……………」
「恋」
「……………」
「恋、こっち向け」
「……嫌よ」
「向け」
右京が私の名前を呼ぶ。
右京が私の名前を呼ぶ度に、私は……どうしても罪悪感に蝕まれてしまう。
転校しよっかな……今ならまだ遅くないっしょ。
とてもじゃないけど希龍に関わらせようとしているこいつらと同じ学校に居れるわけない。
「……なによ」
「恵」
「はいはい」
私が振り向くと、右京の指示で恵達は屋上を出ていった。
どうせ扉の前で耳を傾けてるだろうけどここからじゃ聞こえないはず。
見張りの子も出ていった。
「恋」
「……」
「俺は、お前しか姫なんて有り得ない。」
「私は無理よ」
「誰も、お前を責めちゃいない。誰も、お前を恨んでない。"あいつ"だってそうだ」
「……なんでそんなこと分かるのよ」
「"あいつ"が言ってた。」
なんで