「なら、俺が開ける」
「いい。家帰ったら開けるつもりだから」
「1人で開けて、自分が正気でいられると思ってんのか」
「それはっ……」
「なんのために今俺が言ってると思ってる」
「………」
右京、私はもうね。誰も巻き込みたくないの。
これ以上、大切な人が傷つくところは見たくないんだよ。
必死に目で訴える私に、何言っても無駄だと悟った右京は私のブレザーのポケットに入っていた"それ"を素早く抜いた。
「あ!」
「俺だってお前と同じ気持ちだ。二度とお前の"あんな姿"を見たくない」
「………」
右京はそう言って、私に見せないように黒い封筒に入った手紙を開けた。
途端に、眉間にシワを寄せて殺気を出し始める右京。
「右京…?」
「………」
なにかが書かれた手紙。
そしてもう一つ、右京は封筒に入っていた写真のような物を取り出して見た
「……くそっ!」
後ろの壁を思いっきり殴った右京に、なんとなく分かってしまった。
「右京、見せて。」
「ダメだ。絶対に」
「それは、私が貰った手紙でしょ?」
「でもダメだ。」
「右京…」