なんだかんだで日本の文化祭を堪能した私
あっという間に文化祭は終わって、後夜祭という生徒だけで楽しむ最後の締めくくりとなるイベント中だ。
剣と新が体育館でやる軽音楽部のライブを見に行きたいと騒ぎ出し、あの2人だけでは不安だと恵も結局着いて行き、ほぼ全校生徒が体育館でライブを見ると聞いた私と右京はさすがに人混みに疲れたためいつも通り屋上に残った。
よって、今は右京と2人きり。
「右京〜」
「ん?」
「文化祭、楽しかった」
「あぁ。」
そう言って私の頭をぽんぽんする右京。
右京って私の頭をぽんぽんしたり撫でたりするの癖なのかな?って思ったくらいよくやるんだけど、私はこれがとても落ち着くから昔から好きなんだよね。
「恋」
「なに?」
「さっきクラスの奴から貰った手紙、開けてみろ」
「………」
「考えてることはお前と同じだ。」
「………私に、開ける勇気はない。」
封筒が、"あの時"と同じ物。
気づかないわけがないんだ。右京も、見た瞬間に分かったんだろう。
普通なら貰ってすぐに気になって開けるだろうが、私が大勢の人が居る文化祭中にその場で開けなかった理由も右京だけは分かってた。