やっとの思いでついた教室は、剣達の言っていた通り確かに大盛況だった。
教室の外まで長い列を作っている生徒や外部の人に対して、クラスのみんなが忙しそうにカレーを注いで渡している。
客寄せパンダの如く私達の背後を着いてきてそのまま列に並びお客さんとなった生徒もいる為、どんどん列が長くなっていく
……確か委員長、カレーは400人前用意するって言ってたけどそろそろ完売するのではないかと思うほどの人気っぷりだ。
「ね?ちゃんと仕事してたでしょ?」
「さすが剣!」
「でしょでしょ〜」
「恋たん俺も褒めて!!」
「はいはい偉い偉い」
「感情篭ってないよ!?」
「……気のせい」
「今の間はなに!?」
邪魔になるのも悪いので、クラスの外で様子を見ながら話していた私達に気づいた1人のクラスメイトの男の子
「あ!杉咲さん!」
「ん?」
ちなみに名前は覚えてないから茶髪君と名付けよう。
ただ茶髪君が私に話しかけただけなのに、怪訝そうな顔をする右京達。
ビクビクしてるじゃん可哀想に。
「あの、これ…」
「手紙?」
右京達に怯える茶髪君から受け取ったのは、一通の黒い封筒に入った手紙。
「私服だったから外部の人だと思うんだけど、杉咲さんに渡してほしいってこれを預かったんだ。」
「ありがとう。確かに受け取ったよ」
「そろそろカレーも完売するし、あとは教室閉めてみんな自由だから杉咲さん達も楽しんでね!それじゃ!」
茶髪君は早口にそう言って、右京達から逃げるように接客へ戻っていった